小茂鳥雅史氏 スパルタ英会話 創業までの歴史を語る(後編)

(前回までの概要)
スパルタ英会話創業の小茂鳥雅史(こもとりまさふみ)さんに、創業前の出来事や、事業が軌道に乗るまでの経緯をインタビューしてきました。
学生時代の突き抜けた経験や、カナダの留学先での出会い、社会問題に解決に興味を持つまでのストーリーを、オープンに語っていただきました。

以下、小茂鳥氏より:

スパルタ英会話は、今でこそ「短期集中英会話」で軸が定まっていますが、ここにたどり着くまではチャレンジと失敗の連続でした。

パーティ事業!?


英会話サークルで半年ぐらい動いたものの、売上も1回あたりは微々たるもので、生活をしていくのはしんどかったですね。
なので、パーティ事業だったら友達が友達を呼んできてくれるから、常に大規模化していくし最高じゃないか!ってなり、パーティ事業をはじめました。

今考えると浅はかで笑えますが、当時は真剣に取り組んでいましたね。
でも、最初はどのくらいの分量の食べ物を用意すればいいかもわからないし、当日の流れもわからない。
お寿司は買ったのにお醤油がなくて途中で買い出しにいったり、パーティなのに、ぎりぎりの値段設定で一人3000円とかだから利益がほとんど出なかったり。

1ヶ月目に、毎週パーティを開いて、それだけで疲れすぎて、死にそうになりました(笑)

ただ、最初の1ヶ月、4回のパーティで運営が3人で8万円儲けたとき、僕らめちゃくちゃポジティブなので、「やった!8万円も利益出た!100倍にすれば遊んで暮らせるぞ!」って言っていました(笑)

とはいえ、パーティ事業は疲れすぎるし、性格に合わないと断念。人には向き不向きがありますからね。

わらしべ英会話教室からスパルタへ

半分パーティ事業、半分カフェ英会話事業というイメージで、BBQをやりました。

真夏の太陽が照りつける中、コスト削減のために実家の車に大量の荷物を乗っけて、椅子や机まで運んで、多摩川まで行きました。
川沿いでBBQはもちろん、スイカ割りを楽しんだりとか最高だったのですが、その日はとても暑く2人ぐらい熱中症になってしまいました。

運営であった僕たちもほぼ熱中症の中、気持ちを張って、なんとかやり切ったのが、パーティ事業の最後です(笑)
一見徒労のようですが、実はそのときにきてくれた数人が、「もっと本格的に英語を習いたい」と言ってくれたところから、英会話事業が本格化します。
不思議なもので、後から振り返ってみると、色んな物事がつながっています。

ぎりぎり英会話

最初は、営利事業なのか、非営利事業なのか、よくわからないところからスタートしました。

お金もほとんどもらっていなかったので、コストをかけない仕組みを工夫しました。
例えば、使う場所は区民会館とか友達のマンションのセミナールームとか。

とにかく少しでもお金のかからない方法で、英語を本気で学びたい人に集まってもらいながら、カリキュラム作成と同時にリリースするような日々を2ヶ月ぐらい送っていました。

だんだんとコンテンツも揃ってきたころに、とあるベンチャーキャピタルの方から朗報が!

起業家たちにレッスンをしてくれるなら、部屋を自由に使っていいと言ってくださり、起業家向け英会話&一般向け英会話が始まりました。

まだまだ僕らの快進撃は続きます。
少しずつ売上も上がりはじめたので、2ヶ月したころに
「もう部屋を借りてしまおう」
となりました。

店舗を探すためにインターネットで情報収集をして、周辺相場よりも1割安かった、新宿御苑へとオフィスを構えます。

同時に会社を立ち上げますが、当時僕らが保有していたキャッシュは150万円程度でした。

オフィスの初期費用を払ったら残り80万円。家賃が30万円なので、売上が上がらなければ、3ヶ月で倒産という計算でした。

背すぎがゾクゾクするような、危なっかしいスタートではありましたが、僕らの強みは「運の良さ」です。

本当に運のいいことに、「スパルタ 英会話」で検索してくださる方が大勢おり、(名前をスパルタ英会話にしてよかった!)、1ヶ月目から数百万円の売上があがり、順調な滑り出しとなります。

ロボット英会話

半年後、ソフトバンクから、ロボットのペッパー君が出た時、ある素晴らしいアイディアが僕の頭に浮かびました。
それが、「プログラミングすれば、絶対ペッパー君で英会話事業ができる!」というもの。

人ではなく、ロボットと英語をトレーニングできる英会話教室です。人件費もかからないし、24時間運営できるかもしれません。
加えて、プログラムさえしっかりと作れば、可能性は無限に広がります。

アメリカ英語もオーストラリア英語もお手のもの。
初心者相手に、初級の単語に絞ったゆっくりとした会話もできるし、
上級者相手なら、ビジネス系のフォーマルなやりとりをすることも可能です。

ロボット英会話。斬新で可能性にあふれている。
人々の「英語を話せるようになりたい」にも様々な角度からアプローチできるし、話題性もある。
きっとメディアに取り上げられて、行列のできる英会話教室へ・・・!

そんな希望に胸を膨らませて、第1回目のペッパー君の購入権の抽選に応募しました。

その結果は、なんと!
1台買うことができました!(とっても高かったです。。。)

やはり僕らの強みは強運。何事も、チャレンジしてみるものです。

そしていざ、ロボット英会話を現実のものとするべく、プログラム作成に入りました。

その結果は?
残念なことに、とっても使えなかったです。。。(笑)

いえ、ペッパーくん自体は素晴らしいのですが、英会話事業をやる上で僕らが使いこなすことができませんでした。

でも、その当時と、今の想いは変わっていません。

英語学習において、もっともっと効率化と楽しさを向上することはできると思っています。
将来的には、ロボットから楽しく学習する世界を作りたいものです。

お客様からの応援 with Carmen

少し話は遡りますが、筆頭講師であり、現在フォロワー3万人以上のカルメン講師は、創業当時からのメンバーです(学生時代からの友人でもあります)。

創業当時は、週3日は会社に泊まるのが当たり前。
2年間は1月1日以外、ずっと働き続けてました。

とある祝日、祝日なので教室としては休みにしていたつもりで、ソファに寝っ転がりながら、資料を散乱させて創業メンバーでカリキュラムを作っていたら、50代ぐらいの男性の生徒さんが入ってきてしまい、とっても気まずい想いをしました。

でも、そのお客様は本当にいろいろと応援してくださり、カリキュラムのミスや改善点など、いつも優しく指摘してくれました。

よく、「クレームはお客様からの愛の言葉だ」的な話がありますが、本当にクレームとかではなく、「小茂鳥くんたちが頑張ってカリキュラムを作ってくれるから、僕は英語の勉強ができる。だから、応援してるよ。がんばってね。」という言葉と共に、「言いにくいんだけど、カリキュラムでミスを見つけてしまったから、共有しておくね。」という形でサポートしてくださいました。

本当に、今思い出しても頭が上がりません。

それ以外にも、毎月ご飯をご馳走してくださる方や、お客様との交流パーティを開くたびにお酒の差し入れをしてくださるお客様もいました。

至らぬ点が本当に多かった創業時だと思いますが、文字通り、お客様の支えがあって少しずつ改善を行うことができました。

数年後、生徒さんの交流パーティで、学生コンビで仲良くなった二人が、先生の物真似や英語あるあるでの漫才などを披露したり、アットホームな雰囲気で、少しずつ生徒さんも増えていきました。

もちろん、リアルなクレームもありましたし、乗り越えなければいけない壁はたくさんありました。
それも全てチーム一丸となって乗り越えることができたのは、かけがえのない思い出です。

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