老舗の大手企業が続々と副業を解禁し、「副業に取り組む」ことがさほど珍しくなくなった現代。業界や企業によって副業解禁の実態は異なるため、なかなか他社の副業実態を知ることは難しいです。
また、大企業ならではの取り決めや注意事項があることも事実。
そこで今回は、副業を解禁している大手7社の事例と大企業で副業に取り組む際の注意点をまとめました。
今まさに大企業にいて副業を検討している人や、稼げる転職先を探している人にもおすすめです。
目次
副業を解禁している大企業7社
副業を解禁する大企業の数は、今やかなり多くなっています。
その中でも今回は、特に先進的な取り組みを行なっている企業や老舗の日系大手企業を中心に7社の事例をピップアップし、ご紹介していきます。
業界や企業によって、副業解禁の方法にも差が生まれています。
三菱地所
「丸の内の大家」とも呼ばれ、就職人気や待遇においてトップクラスの実力を誇る三菱地所は、1ヶ月に50時間以内という制限のもと社員に対して副業を解禁しています。
また、社員に副業を解禁するのと同時に新事業に関わる人材を副業・兼業限定で募集するなど外部人材の登用にも積極的になっており、社内外問わず優秀な人材の力を広く活用したいという会社の姿勢が見受けられます。
三菱地所、初の副業・兼業限定公募を実施、ビズリーチが協力
みずほフィナンシャルグループ
3メガバンクの一角を占めるみずほ銀行などを傘下に持つみずほフィナンシャルグループでは、2019年度から業界に先駆けて副業を解禁しています。
同社では様々な種類の副業を解禁しており、社外での副業に加えスタートアップへの出向を含めた社内兼業等も解禁しています。
一つの仕事で満足ですか みずほ、副業で武者修行
2021年1月時点で200件以上の副業申請を許可しており、一定の成果が上がっています。
同社では週休3日制や週休4日制の採用なども行っており、これらを組み合わせることでより柔軟な副業への取り組みが行えそうですね。
カゴメ
メーカーにおいて副業を解禁している企業はまだまだ少ないですが、大手食品メーカーのカゴメは2019年から正社員と契約社員を対象に副業を解禁しています。
月45時間以内に止めることが条件となっており、過去1年間の労働時間が1900時間以内の社員が対象となるといった制約があるものの初年度は正社員の4分の1が対象となるなど比較的多くの社員が副業に取り組むことができる環境だと言えそうです。
カゴメ、副業容認の概要公表
面接を受けた就活生に自社の製品をプレゼントするなど、ユニークな取り組みが行われるカゴメでは今後も新しい形の副業解禁が行われるかもしれません。
ヤフー(Zホールディングス)
IT大手のヤフー(Zホールディングス)では、他社との雇用契約を結ばない・本業に影響を及ぼすほどの激務でないといった条件のもと社員に対し副業を解禁しています。自ら申請を行い、受理されることで副業が可能となるので取り組むまでのハードルは比較的低いと言えます。
また、 年には「無制限リモートワーク」を打ち出し、飛行機による通勤も解禁されるなど日本中で場所を問わずに働くことができる制度が整っています。
ヤフー社員、会社負担で飛行機通勤も可能-4月から居住地自由化
ヤフーの副業、というとインターネットやITの力を活用したものを思い浮かべがちですが、この制度を活用することで地方ならではのビジネスに取り組むといった全く新しい副業の形も可能になるかもしれません。
ANA
コロナ禍により大きな変革を求められる航空業界において、業界を代表する企業であるANAは副業制度の大々的な見直しを行いました。
同社では以前より社員に対し条件付きでの副業を解禁していましたが、昨今の航空需要減少による従業員の給与低下などを重く受け止め、他社での雇用契約を解禁する方向で調整しています。
ANA、副業を拡大へ 他社と雇用契約可能に
多くの大企業において禁止されている他社との雇用契約が可能となることで、副業の幅が大きく広がることは間違いないでしょう。
従業員に幅広い経験をしてもらうことで、本業にもプラスに働かせて欲しいという意図もあるようです。
丸紅
総合商社の中でも先進的な取り組みの多い丸紅では、社員に対し就業時間の15%を副業に充てるよう義務付ける取り組みが行われています。
丸紅「社内副業」義務付け 勤務時間の15%、新事業促す
新ビジネスの考案を想定しており、部門横断的に新規事業を生み出すことを目的としているようです。
通常業務に割ける時間が圧縮されるデメリットはありますが、就業時間内に新規事業へ取り組むことができる点は個人的にワクワクします。
ライオン
消費財メーカー大手のライオンでは、少しユニークな形で社員に副業を解禁しています。
それは人事部が社員に副業を紹介する制度。
人材紹介会社と提携することで幅広い仕事を揃え、社内サイトに掲示するとしており社員は申告のみで副業が可能になります。
副業に初めて取り組む場合、知り合いのツテなどがないとなかなか仕事を見つけられない場合もあるためこの制度は非常にありがたいですね。
ライオン、人事部が副業紹介|本業での貢献を期待
大企業で副業に取り組む上での注意点
大企業に勤めながら副業を行うことで、副業で得た人脈やスキルを本業で生かすことができます。
また、所属する企業の知名度からくる信頼を生かし仕事を受注しやすくなる、安定した給与を得ながら挑戦的な取り組みができるといったメリットも大きいです。
その一方で、大企業で副業に取り組むからこその注意点があることも事実。ここからは、特に注意すべき3つの事項について解説を行なっていきます。
本業を疎かにしない
副業に取り組むことで、人脈の構築やスキル向上がなされ本業にもプラスに働きます。
その一方、副業に熱心になるあまり本業を疎かにしてしまうという恐れもあります。
多くの大企業では月45時間以内といった形で上限の時間を定めてはいますが、会社規定の時間内であっても自分の健康や本業の忙しさと相談しながら両立して取り組むことが求められます。
自分の仕事に余裕があるタイミングでのみ取り組む、時期によって副業の稼働時間を減らすといった柔軟な対応を行いたいところです。
会社の禁止事項をよく確認する
仮に自分の会社が副業を解禁していたとしても、
「同業他社での副業は禁止」「収入のみを目的とし、スキルアップにつながらない副業は禁止」
といった禁止事項が設定されているケースは非常に多いです。
特に規模が大きい企業になればなるほど利害関係等も複雑になるため、かなり細かい禁止事項が設定されているケースもあります。
禁止事項に抵触してしまうと副業の禁止や、さらに大きな民事的な問題に発展する恐れもあるため隅々まで確認してから取り組むようにしましょう。
特に同業他社との関わりや会社の内部情報流出等には細心の注意を払いたいところです。
確定申告を忘れずに行う
会社に勤めていると確定申告を自分で行う必要がないため、そもそもやり方がわからないという方も多いでしょう。
稼げる金額が大きくなれば外注するといった方法もありますが、多くの場合自分で行った方が費用対効果が高いケースが多いです。
下記の記事等を参考に、忘れずに行うようにしましょう。
確定申告のやり方と流れを全くわからない人向けに解説
まとめ
いかがでしたか。
本記事を通じて、大企業での副業に関して少しでも理解を深めていただくことができれば幸いです。
今後、会社に勤めながら副業に取り組むことは更に一般化していくと思われるため、まずは一歩踏み出して取り組んでみてはいかがでしょうか。
下記の記事では副業の始め方について、1から丁寧に解説しています。
大企業にいながらさらに稼ぐために、副業として起業に取り組むことも一つの選択肢です。
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