同じ読み方をする「複業」と「副業」ですが、それぞれの違いを明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。
もしかしたら、「どちらもあまり変わらない」と考えている方が多いかもしれませんね。
しかし、実は「複業」と「副業」は似ているようで、目的も働き方もメリット・デメリットも異なります。
夢や理想のライフスタイルを実現するための「複業」
複業とは、文字の通り「複数の本業を持つ」ことを指します。
どれも本業のため、一つひとつの仕事の収入や使う時間が多く、責任も重いです。
複業を始める方や複業している方は、自分の夢や理想のライフスタイルの実現を目的にしている方が多いです。
また、複業をされている方は、
- 複数の会社に勤める
- 個人事業主として複数の事業を行っている
- 複数の会社を経営している
- 会社に勤めながら、個人事業主としても働く
と多種多様な働き方をしています。
複業についてはもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
収入を目的にすることが多い「副業」
副業とは、本業とは別のサブ的な仕事を指します。
本業ではないため、責任はあまりなく、使う時間も稼げる金額も少ないケースが多いです。
そのため、必然的に会社員+アルバイト・パートという働き方になります。
副業は主に収入を増やすことを目的にしたケースが多いです。
複業のメリット・デメリット
ここまでの解説で、複業と副業で働き方や目的が違うことがお分かりいただけと思います。
ここから先は、複業と副業のメリット・デメリットをそれぞれ解説・比較していきます。
まずは、複数の本業を持つ「複業」のメリット・デメリットから解説いたします。
複業がもたらす3つのメリット
複業がもたらすメリットは、この3つです。
- 複数の本業がシナジー効果を生む
- 収入が安定する
- 自分の夢や理想のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる
では、それぞれ具体的に解説していきましょう。
複数の本業がシナジー効果を生む
複業は複数の本業を持つため、様々な経験とスキルが身につきます。
また、それぞれの仕事ごとに異なる人脈ができるため、本業が1つの方と比べると、経験・スキル・人脈の幅がとても広くなります。
ある仕事で得た経験・スキル・人脈を、別の仕事に活かすことで、それぞれの仕事の成果が高まります。
このシナジー効果が複業の最も大きなメリットと言っても、過言ではありません。
例えば、ホームページ制作とWEB集客のコンサルティングを行っているとします。
この場合、
- ホームページ制作をご依頼いただいた方に、WEBコンサルティングも行って、集客できるホームページを提案できるようになる
- WEBコンサルティングしている方のホームページが見た目が悪い場合は、かっこいいホームページに作り直す提案ができるようになる
といったシナジー効果があります。
収入が安定する
副業とは違い、複業はそれぞれの収入が大きいため、一つの本業の収入が落ちたり減ったとしても、別の本業でカバーできます。
本業が一つしかない場合、本業の収入に生活が大きく影響されるため、複業することはリスクヘッジになります。
具体例を出してご説明すると、会社員として勤めながら、フリーランスとしてデザイナーの仕事を請け負っていたとします。
勤めている会社の業績が悪く、給料が減りボーナスもなくなった場合、デザイナーとしての仕事を増やすことで、減った分の収入を補填できます。
自分の夢や理想のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる
複業は副業とは違い、複数の本業があるため、様々な働き方を選択できます。
安定した人生を望むなら、会社に勤めながらフリーランス・個人事業主という働き方も選択できます。
この働き方であれば、もし会社が潰れたり、会社の給料が下がったとしても、別の本業の収入があるため、生活できなくなることはありません。
また、叶えたい夢や理想のライフスタイルがあれば、個人事業主やフリーランスとして複数の本業を持ったり、複数の会社を経営するなど、自分の時間と場所を自分がコントロールできるような働き方も可能です。
例えば、理想のライフスタイルが「働く時間と場所に縛られたくない、でも安定した生活を送りたい」だったとします。
その場合、デザイナーとプログラマーをフリーランスという形で復業すれば、どちらかの仕事の収入が減っても、どちらかがカバーできるため収入も安定しやすいです。
また、どちらも成果物がお金に変わる仕事であり、クライアントと直接顔を合わせなくても仕事ができるため、理想のライフスタイルを実現できます。
複業がもたらす2つのデメリット
複業がもたらすデメリットは、この2つです。
- 時間管理・タスク管理が大変
- 始めるハードルが高い
では、それぞれ具体的にデメリットを解説していきましょう。
時間管理・タスク管理が大変
複数の本業を持つため、一つひとつの仕事でやることも多くなります。
そのため、それぞれの仕事のやること・スケジュールをしっかり管理しないと、一つひとつの仕事のアウトプットが下がってしまいます。
また、その管理に使う時間・労力も多くなるため、効率化を意識しないとキャパオーバーになってしまうケースも少なくありません。
始めるハードルが高い
本業を複数持つためには、勤めている会社に相談・調整が必要だったり、ある仕事の業務量を調整したり、自分が働く時間を減らしたり、と様々なハードルを乗り越える必要があります。
そのため、複業を始めた後だけでなく、複業を始める前からやるべきことが多いです。
政府が複業・兼業が推奨されているとはいえ、まだまだ複業に寛容的ではない会社も多いため、会社の事情で複業ができないケースもあります。
その場合は、転職するところから始まるため、よりハードルが高くなると言えるでしょう。
副業のメリット・デメリット
複業のメリット・デメリットの次は、本業以外にサブ的な仕事を持つ副業のメリット・デメリットを解説していきます。
副業がもたらす2つのメリット
複業がもたらすメリットは、この2つです。
- スキマ時間で収入が増やせる
- 手軽に始められる
それぞれ具体的に解説していきましょう。
スキマ時間で収入が増やせる
副業として働ける仕事の多くは、ちょっとした空き時間で働けることが多いです。
そのため、会社で働く前や働いた後のちょっとした時間を使って、収入を増やすことができます。
例えば、短期アルバイトとして会社の業後に飲食店や工場で働くイメージです。
手軽に始められる
副業として始められる多くの仕事は、専門的なスキルや特定の経験が不要な仕事です。
また、アルバイトやパートはネットで探して応募しやすく、家でできる仕事もネットで見つけやすいため、仕事を見つけるハードル自体も低いです。
副業がもたらす2つのデメリット
複業がもたらすデメリットは、この2つです。
- 自分のために使える時間が少なくなる
- 専門的なスキルが身に付く仕事が少ない
では、それぞれ具体的に解説していきましょう。
自分のために使える時間が少なくなる
副業として始められる・続けられる仕事は、専門的なスキルや特定の経験が不要な代わりに、時給制であることが多いです。
そのため、収入を増やすためには働く時間を増やすしかありません。
短期アルバイトとして働いている場合、仕事の成果で時給が上がることはないため、収入を増やすには働く時間を増やすことになります。
本業がありつつ働く時間を増やすと、必然的に自分のために使う時間が減ってしまいます。
自分の好きなこと・趣味に使える時間が減ってしまうことは、大きなデメリットといえます。
専門的なスキルが身に付く仕事が少ない
副業はあくまでもサブ的な仕事のため、専門的なスキルや経験が不要な仕事が多いです。
そのため、仕事を通して得られるスキルが成長したり、今後役に立つ経験が得られることが少ないです。
目的に合わせて複業・副業を選択する
ここまで複業・副業のメリット・デメリットを解説してきました。
「自分にはどっちが良いんだろう?」と思う方が多いかもしれませんね。
この問いに正解はありませんが、複業・副業は目的に合わせて選ぶべきだと思います。
短期的に収入を増やすなら副業がお勧め
一時的に収入を増やしたいのであれば、手軽・気軽に始められる「副業」がお勧めです。
副業は確実に働く時間が延びてしまいますが、始めるハードルも低いですし、仕事に伴う責任も重くはありません。
実現したい夢・理想のライフスタイルがあるなら、複業がお勧め
もし今現在のライフスタイルや働き方の延長線上に、自分の夢や理想のライフスタイルがない場合は、複業を始めることをお勧めします。
複業を始めることで選択肢が広がり、自分自身でライフスタイルをコントロールできるようになります。
複業を始める・続けるハードルは低くありませんが、夢や理想の実現のためであれば、楽しんで働けるはずです。
この記事をお読みいただき、「複業を始めようかな」と少しでも興味を持った方はこちらの記事も合わせてご覧ください。