「大企業に就職して定年退職で勤め上げる」というロールモデルが通用しなくなり、自分自身で生き方・働き方を考える時代になりました。
その時代の中で、「起業」という選択肢を検討する人が増えています。
ただ、興味があっても起業の仕方がわからなかったり、リスクが大きいからと、あと一歩を踏み出せない方は多いと思います。
今回はそんな方に向けて、リスクをなるべく抑えて起業する7つのステップをご紹介します。
スタートアップとキャッシュエンジン型起業どちらを選ぶか
起業する方法を大別すると、この2つに分けられます。
- スタートアップ
- キャッシュエンジン型(スモールビジネス)
どちらを選ぶかで、起業するステップが変わってきます。
そのため、まずはこの2種類の起業方法に、それぞれどんなメリット・デメリットがあるかをご説明していきます。
ハイリスクハイリターンのスタートアップ
スタートアップは、
革新的なアイデアを元に事業計画を作り、資本家にプレゼンして投資してもらい、その資金でサービス・商品を開発。
広告費もかけて大々的に宣伝し、イノベーションを起こすサービス・商品をリリースする
といったタイプの起業です。
みなさんが想い描く起業のイメージに近いかもしれませんね。
スタートアップのメリット
ではこのスタートアップを選ぶと、どんなメリットがあるのでしょうか。
スタートアップのメリットは、この2つ。
- 成功すれば短期間で巨額なリターン(利益)が得られる
- 世の中にイノベーションを起こせる
世の中にイノベーションを起こして、巨額の利益が得られるため、成功すればメリットが大きい起業方法です。
スタートアップのデメリット
次にスタートアップのデメリットをご紹介します。
スタートアップのデメリットは、この2つ。
- 失敗すると、大きな負債ができる
- 起業してからキャッシュ(売上)が発生するまでに時間がかかる
投資や融資を受けて資金を集めるため、失敗すると大きな借金ができます。
スタートアップについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
ローリスクローリターンのキャッシュエンジン型起業
キャッシュエンジン型起業とは、少ない資金で始められてすぐに売上が発生する「キャッシュエンジン」という仕組みを利用する起業です。
別名、スモールビジネスとも言われます。
例えば、趣味でシルバーアクセサリーを作っていたとします。
その趣味を仕事にするために、起業を決意。
最初はお金をかけられないので、無料でネットショップを作れるBaseとメルカリを作って、地道に自分が作ったシルバーアクセサリーを販売していきます。
買ってくれたお客さんの声や周りの感想を参考に、販売するシルバーアクセサリーのデザインや種類も変えていきました。
その活動を続けていくと、少しずつ有名になってきたので、次はシルバーアクセサリーの作り方を教える教室を開くことにしました。
ただ、教室を借りるとお金がかかるので、まずはオンライン上でレッスンを始めたところ、好評。
お客さんが増えて売上も増えてきたので、教室を借りたり、お金をかけてネットショップを作り直したり、と事業を拡大していきました。
とこのようにキャッシュエンジン型起業は、小さく始めて少しずつ大きくしていく起業方法です。
キャッシュエンジン型起業のメリット
キャッシュエンジン型起業のメリットは、この2つ。
- 少ない資金で始められる
- サービスリリースまでの期間が短いため、キャッシュ(売上)がすぐに発生する
キャッシュエンジン型起業なら、自己資金で始められる範囲で起業するため、借金を背負うリスクは低いです。
また、何ヶ月・何年とサービスを開発してリリースするわけではなく、ある程度のサービス内容が決まったら、すぐにサービスをリリースします。
そして、サービスをリリースした反応を見ながら、サービス内容をブラッシュアップしていきます。
そのため、起業してすぐにキャッシュ(売上)を発生させられます。
キャッシュエンジン型起業のデメリット
リスクを抑えて起業できるキャッシュエンジン型起業ですが、もちろんデメリットもあります。
キャッシュエンジン型起業のデメリットはこの2つ。
- 大きな利益を得るためには時間がかかる
- 労働集約型になりやすい
キャッシュエンジン型起業は、ビジネスを小さく始めるため、起業当初はお客さんの数が少なく、単価も低くなりがちです。
また、少ない資金で始められるビジネスは労働集約型であることが多く、売上を増やすためにはたくさん働くか、人を雇うかの2択を迫られます。
そのため、大きな利益を得るためには時間がかかってしまいます。
キャッシュエンジン型起業について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
初めて起業するならキャッシュエンジン型起業がオススメ
スタートアップは世の中にイノベーションを起こして、大きな利益が得られるため、とても魅力的です。
ただ、その分ハードルが高く、
- プレゼンスキル
- 資金調達スキル
- マネジメントスキル
- お金を管理するスキル
など、成功するために必要なスキルが多く、それぞれのスキルに求められる水準もとても高いです。
また、資金もたくさん必要でリスクが高いため、1回目の起業にはオススメできません。
まずはハードルとリスクが低い、キャッシュエンジン型起業に挑戦することをオススメします。
キャッシュエンジン型起業で成功したら、その起業で得たノウハウ・スキル・資本を活かして、スタートアップに挑戦してみましょう。
この流れで起業すれば、必要な資金の大半を自己調達できたり、1回目の起業で必要なスキルを得られるため、スタートアップで成功する確率を上げられます。
キャッシュエンジン型起業の7ステップ
ここからは、初めて起業する方にオススメの「キャッシュエンジン型起業」の7ステップをご紹介いたします。
ステップ1)起業する目的の確認
最初のステップで、そもそも自分はなぜ起業したいのかを確認しましょう。
この目的を確認しておかないと、
- 起業しただけで満足してしまう
- 起業した事業の方向性や内容で迷ってしまう
- 起業してお金を稼げてるけど、達成感や充実感がない
といった状態に陥ってしまいます。
そのため、実際に起業する前に必ず「起業の目的」を明確にしておきましょう。
ステップ2)起業する事業を決める
起業する目的を確認したら、次は起業する事業内容を決めましょう。
事業内容を決めると言っても、大袈裟なものではなく、
- 誰に
- いつ
- どこで
- いくらで
- どうやって
- 何を
提供するか、ざっくりで決めるレベルで大丈夫です。
また、事業内容を決める時に、この2つの前提を置くと、起業に必要な資金を抑えられます。
- 自分一人でサービス・商品を提供する
- なるべくお金をかけない方法でサービス提供する
少しイメージがつきにくいと思うので、具体例を出してご説明いたします。
例えば、
- 起業の目的が英語を喋れる日本人を増やすこと
- 英語で日常会話できるレベルのスキルがある
とします。
自分のスキルを活かして、目的を達成するために、
- 英語を喋ることに憧れがある日本人に
- 平日の夜と土日に
- オンライン上かカフェで
- 1時間2,500円で
- テレビ会議ツールzoomと教材を使って
- 英会話のマンツーマンレッスンと英語が苦手な日本人+講師のグループレッスンを
提供する。
とここまで決めてみましょう。
この事業を立ち上げるために、いきなり教室を借りたり、講師を雇うのはNG。
事業にお金をかけるのは、その事業で儲かってからと考えましょう。
起業するアイデアが見つからない方は、下記の手順を踏んで、自分の好きなことや得意なことをビジネスに変換してみましょう。
- 自分の好きなことを書き出す
- 自分の得意なことを書き出す
- 自分のスキルを書き出す
- ここまで書き出した内容をビジネスに変換する
この4つの手順については、こちらの記事で詳細をご説明しています。
アイデアが見つからない方は、ぜひ参考にしてください。
ステップ3)起業に必要な資金を確認・用意する
ステップ2で事業内容を決めたら、次はその事業を起業するために必要な資金を確認・用意しましょう。
まず、事業を始めるために必要な資金を確認しましょう。
といっても、キャッシュエンジン型起業なので、事業を立ち上げる資金は少なくて済むはず。
ステップ2で上げた例なら、カフェのコーヒー代ぐらいで、事業を立ち上げられます。
必要な資金を確認したら、次は自己資金がいくらあるか確認しましょう。
自己資金を確認するお勧めの手順は、こちら。
- 持っている金融機関の口座を確認する
- それぞれの口座にいくら入っている確認する
- タンス預金などはないか確認する
- 電子マネーがどれくらいあるか確認する
- 株・仮想通貨・外国の紙幣など、日本円にすぐ換金できる資産を確認する
- 通常の預金の他に、財形積立などをやってないか確認する
この手順を踏むと、自分が思っているよりも自己資金を持っているかもしれません。
この自己資金はいつか事業を拡大する時のために、できるだけ温存しておきましょう。
ステップ4)まずはサービス提供してみる
ここまでのステップを終えたら、お客さんを見つけてサービス提供してみましょう。
「いや、まだ事業内容が完璧に決まっていないから、サービス提供するなんて早い」と思う方も多いかもしれません。
でも、完璧じゃなくていいんです。
ざっくり決めた状態でもサービスをリリースし、リリースした時のお客さんの反応と経験を元に、サービスを改善していきましょう。
最初のお客さんを見つけるために、オススメの方法は「知人や友人に考えたサービスを話して、お客さんを紹介してもらう」こと。
手当たり次第に声をかければ、1人か2人は見つかるはずです。
ステップ5)サービス提供の経験を活かして、ブラッシュアップする
実際にサービス提供したら、いくつもの気づきがあるはずです。
ステップ2)の例で上げた英会話レッスンの場合、サービス提供したら
- 教材の中に分かりにくい部分があった
- お客さんが思っているよりも英語が苦手で、もっと初歩的なところから始める必要がある
という気づきがありました。
その気づきを活かして、教材を改善し、お客さんの英語リテラシーのテストをレッスンに組み込むことにします。
とこのように、サービス提供した経験を活かして、サービス内容をブラッシュアップできます。
サービス提供しながら改善することで、自分1人で考えているよりも、遥かに速いスピードでサービスのレベルが上がっていきます。
ステップ6)集客の仕組みを作る
サービス提供とサービス内容のPDCAを何度か繰り返し、お客さんが増えてきたら、集客の仕組みを作りましょう。
集客の仕組みとは、自分自身で営業しなくてもお客さんを集められる仕組みです。
お勧めの方法はこの2つ。
- SNS(インスタやツイッター)の運用
- ホームページ制作
SNSはもちろん、ホームページも無料で作れるサービスがたくさんあるので、時間と労力をかければ、お金をかけずに集客の仕組みを作れます。
ステップ7)事業を拡大する
集客の仕組みができて、売上も増えてきたら、事業を拡大してみましょう。
ステップ2)の例で上げた英会話レッスンの場合なら、一度に教えられる生徒を増やすために教室を借りたり、レッスンする回数を増やすために講師を雇ったり、というイメージです。
キャッシュエンジン型起業では、なるべくリスクを抑えるために、売上が増えてくるまでは、事業拡大の投資は抑えましょう。
何よりも行動することが大切!
起業方法から起業の具体的なステップまでご紹介してきましたが、何よりも大切なのは行動です。
世の中の状況はいつどう変わるか分かりません。
完璧なプランを考えてから行動するのではなく、行動しながらプランを作ったり、修正していく必要があります。
もし起業を考えているのであれば、まずは「ステップ1)の起業する目的の確認」を今すぐにでも始めてみましょう。
最初の一歩が踏み出せないという方は、現役起業家に相談してみるのも良いでしょう。
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