短期集中英会話スクールとして人気を博している、スパルタ英会話創業の小茂鳥雅史(こもとりまさふみ)氏に、起業家とサラリーマンの軸でお話を伺いました。 以下、小茂鳥氏へのインタビュー内容をまとめました。
みなさんは《起業》と聞くと、どんなイメージを持ちますか?
- 「楽しそう」
- 「やりがいがある」
- 「自由」
などの 良いイメージを持つ人もいるでしょう。 一方で、
- 「大変そう」
- 「リスク高い」
- 「不安」
など、悪いイメージを持つ人もいるかもしれませんね。 私(小茂鳥雅史)は、学生時代から10社以上を起業して、現在も6社のホールディングスの代表をしております。 一見、すごそうな肩書に見えるかもしれませんが、スタート地点はどこにでもいる普通の大学生でした。 そのため、当然始めから起業がうまくいくわけがありません。 仲間と一緒にチャレンジをして、たくさんの失敗を重ねながらここまできました。 そんな私だからこそ、断言できます。 起業は今、誰でもできて、楽しくて、ワクワクして、最高の生き方であると。 世の中の変化が早くなり、企業は終身雇用を守れなくなりました。 それに呼応するように、副業を認める会社も増えています。 副業からスタートした事業を軌道に乗せる人も増えています。 こういうことを言うと、多くの場合は 「起業なんて難しそう」「普通の会社員の自分には、特別なスキルがない」というリアクションが返ってきます。 ですが、私は断言することができます。 「普通な会社員」でも、起業をすることは可能です。 なぜ断言できるか。 私の経営する起業スクールキャッシュエンジンで、わずか1ヶ月で、「普通の会社員」を自認するほとんどの人が、自分が作った事業で初売上を達成しているのを目の当たりにしているからです。 もちろん、現在の会社員としての収入を上回るのには苦労があるでしょう。安心して食べて行けるようになるまでには時間がかかります。 加えて、業務を外部に委託したり、人を採用したりすれば、また別の苦労が生まれることでしょう。 それでも、自分ができる価値の提供を事業にし、本気で楽しいと思うことを通して成長していける喜びは、かけがえのないものです。 これまでの社会であれば、起業は大きなリスクをはらんでいたかもしれません。 「会社員であり続けること」が最も安定をしていて、だからこそ起業というリスクを取ることは危険であると考える人は多くいるでしょう。 私は今の社会において、それは幻想にすぎないと考えています。 高度経済成長期や、バブル時代に生まれた「終身雇用」という幻想が、今も続いているだけだからです。 まずは、「実際の世界」は違うということを認識しましょう。 大手企業・上場企業の経営危機など、今ではありふれています。 私自身は、起業を通じてサラリーマンをしていたときより、時間的にも、精神的にも金銭的にも恵まれています。 もちろん、それは人それぞれの性格や、ストレス耐性なども関係しているかもしれません。 しかし、これだけ便利なツールが増えている中で、起業というのは特殊な人が成功するものではなく、「チャレンジした人が成功するもの」に変わってきています。 これから、「サラリーマンが起業をするとは、どういうことなのか?」ということを解説していきます。
大手思考の罠
今の世の中、「大手に入社すれば勝ち組だ」という思考はとても危険です。 令和世代の若い人たちはその思考を持っていませんよね。 若手が3年で辞めていく背景の一つには、以下の一連の流れがあるように思います。
- とりあえず大手に就活で行った
- 採用が通ったので内定を承諾した
- 勝ち組だと思いながら入社した
- 毎日仕事をする中で、「これは勝ち組ではない」感じてしまった
- 転職を決断した
実際、世界に名だたる東芝の経営は傾いています。 シャープも中国の会社に買われてしまいました。 大手企業でも倒産してしまう世の中なのです。 私は証券会社にいたのでわかることですが、世界経済の繋がりは年々密接になっています。 例えば、ギリシャで恐慌が起きれば、世界の経済は止まってしまいます。 中国でちょっとバブルがはじければ、これまた世界経済が巻き込まれます。 投資マネーが別の国に逃げて行ってしまいます。 リーマン・ショックなどは最近の最たる例でしょう。 田舎に住んでいようが、違う国に住んでいようが、この現象から逃れることは不可能です。 《日本の円》を使う限り、日本の経済圏で生きることになります。 知らず知らずのうちに資産を《円》で運用し、リスクを《円》で取っているのです。 「不安だから、銀行にお金を預けておこう」 これで安心でしょうか? もちろん、そうではありません。 銀行で保証される預金は1人1,000万円までなのです。 銀行が潰れたら、1,000万円を超えた金額はなくなってしまいます。 1990年のバブル崩壊時には、有名企業だった山一證券も潰れてしまいました。 2008年にアメリカの大手であるリーマン・ブラザーズが倒産したことから、リーマン・ショックも始まったのです。
世界経済の中で生き残る2つの方法
これから先に、世界経済の中で生き残る方法は2つだと考えています。
- 自分のスキルで食べていける状態を作る
- 資産運用ができるほどの資産を持つ
資産を持てるなら持ちたいですよね(笑) しかし、そのためには前のステップが必要です。 お金を稼いで資産を築くステップを、1番の「自分のスキルで食べていく状態」にしましょうというお話です。 では、《自分のスキルで食べていける状態》とはどのような状態でしょうか? 弁護士資格を取ること、これは自分のスキルと言えるのでしょうか? デザイナーとしてのスキルを磨いて、仕事につくことはどうでしょうか? 自分のスキルで食べていける状態ですね。 いわゆる手に職がある状態です。一見、これで安泰のように見えます。 しかし未来を考えると、まだ先行きは不透明です。 直近10年は、今世の中に溢れているプロフェッショナル系の仕事や手に職系の仕事は変わらず残っていることでしょう。 しかし、20年30年経ったあとに、その仕事は残っているでしょうか? AIの台頭が騒がれています。つい先日までは「芸術だけは人間に残された分野だ」と言われていたにも関わらず、「AIによる作曲」や「AIによる動画」まで出てきています。 「10年後、AIに取られる仕事」みたいな特集もたくさんありますが、弁護士・会計士など、驚きの職業が含まれています。 だからこそ、職業のレベルを「手に職」から、もっと上げることを考えてみましょう。 自分のスキルで食べていける状態とは、「今」食べていける状態ではなく、「AI世界においても」自分のスキルで食べていける状態を作りましょうということです。
AI時代の自分のスキルとは
私は、AI世界において生き残れるスキルは3つだと考えています。
- ITを使う側のエンジニアになる。
- 《コミュニティ》を持つ人間になる。
- ITを使い、コミュニティを持ち、新しい価値を生み出す《起業家》になる。
3つのうちどれかの状態になっていれば、数十年後の未来も安泰です。 《起業》と聞くと、みなさん「難しそう・リスク高そう・怖そう・大変そう」と思われると思いますが、今の時代そんなことはありません。 起業に関する情報はあふれています、起業ツールもあふれています。 実際、私たちの起業スクールでは1ヶ月以内にほとんどの人が売上を立て始めます。 楽しみながら起業はできます。 もちろん会社を辞めて起業一本に絞ろうとしたら大変だしリスクは高いと思いますが、副業で起業をしている人もたくさんいます。 サラリーマンでいる今、できる限りの準備をしておけば、リスクを最小限に抑えて起業することが可能です。 しかも、それが数十年後のAI時代を生き残るツールにもなるのであれば、楽しさという面からも、生き残るという面からも、チャレンジしてみる価値があります。 《チャレンジする人が起業できる時代》の到来です! 起業がうまく行ってくると、お金も貯めやすくなりますし、人脈も増えるので次のチャレンジもしやすくなるという、ポジティブサイクルが作れます。 起業でできたお金や人脈を次のビジネスを作るための投資や資産運用で回していけば、雪だるま式に大きくなっていきます。 日本円だけで資産を持つ状態も脱却していきましょう。将来的なリスクの軽減になります。 お金の資産運用については、私よりプロがたくさんいるので、そちらの本をご参考ください。 (※IT大国エストニアへの投資は始めているのでそこの部分は詳しいです笑)
ビジネスのライフサイクルとは?
事業ライフサイクルという言葉があります。 「大手が危険」というのを事業ライフサイクルの側面からご説明します。 事業ライフサイクルとは、事業を起こしてから衰退していくまでの成長曲線のことです。 規模の変化を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つに分けて、S字カーブで表現しています。 事業や製品の特徴によって、衰退期までの年数は変化しますが、共通するのはどんなビジネスであっても衰退は避けられないということです。 現在の事業ライフサイクルはどんどんと短命化してきています。つまり、スピード感を持って新しいサービスを作っていかないといけないということです。 つまり大手企業とは、常に新しいヒット商品を生み続けないと、大きくなってしまった固定コスト(人件費)を抱えきれなくなってしまうのです。 ヒット商品が生まれただけで会社の規模を大きくしすぎてしまうと、その後数年でヒット商品のライフサイクルが終わったときに、人件費を抱えきれずに会社の経営が傾いていってしまいます。 このような世界で生き残っていくために個人として考えなければいけないのは、会社のために生きるのではなく、プロダクトベースで自分の力を発揮できる分野を作ることです。
起業のファーストステップ
今までにないサービス・価値のファーストステップとはなんでしょうか。 ほんの小さなアイディアです。 ほんの小さなワクワクと言い換えてもいいかもしれません。 または、ほんの小さな課題解決が見えた瞬間かもしれません。 つまり始まりは「サービスのビジョン」を考え出すことなのです。 当たり前のことですが、「夢をかなえるためには、夢が必要だ」というのと同じです。 新しい価値を生み出す能力のファーストステップは、「サービスのビジョン」を考え出すことです。 ビジョンと言われると、仰々しくて、どんなものを作ったらいいかわからないかもしれませんが、簡単に言うと、「こんなサービスあったら楽しくない!?」と友達に熱く語る感じで大丈夫です。 ビジョンはまずは言葉で作られるのです。 例えば、「全員がお金を稼げる起業スクールがあったら、世の中に起業家がたくさんできて、いろんなサービスが作られて、世界がよくなるよね!」というのが、起業スクールCash Engineの始まりです(笑) ゼロから起業していると、ビジネスに必要な全てのスキルが身につきます。 ビジョンを考え出すファーストステップに始まり、その後ビラも作らなきゃいけないし、HPもなんとか自分で作れないか、マーケティングフレーズを考えたり、サービスを作ったり、お客さんへの説明の仕方を考えたり、経理や法務も勉強します。 自分のビジネススキルを向上させたいなら、試しに起業してみることをお勧めします。 売上が上がってビジネスが回ってくると、スキルのフェーズが変わってきます。 HPやマーケティングなどは分野のプロたちにお金を払って仕事をお願いするようになります。 こうなってくると、プロジェクトマネージングのスキルが身についてきます。組織力です。 さらに、この規模が大きくなってくると、いろんな人が共感してくれるビジョンを再度考え直すスキルが必要になり、社長っぽくなってきます(笑) プロジェクトマネージメントをしてくれる人をマネージしていくイメージですね。さらに大きなサービスや組織を作ることができるようになります。 これらのスキルが揃えば、たとえ1回目の起業に失敗したとしても、まったく怖くありません。 PDCAを回して再度起業すればいいのです。 2回目の起業時には1回目の失敗を活かしながら成功することができるでしょう。 仮に2回目の起業に失敗したとしても、大企業に再度勤めて、新規プロジェクトを提案するなど、自分の価値が上がった状態を作れます。 私も大学のときに起業をして1回失敗しています。 その後もNPO法人を立ち上げたりいろいろとやっていますが、そのときの経験はすべて今に活きています。
おわりに
これからのAI時代や、事業ライフサイクルのことを考えると、《起業》が一番安全な道に見えるのは私だけでしょうか? 私はあなたに今の会社を辞めて、起業して欲しいということを言っているのではありません。会社を続けながらでもいいので、起業することでより良い未来を作ったらどうでしょうかというご提案です。 これだけ安全だと言っても、みなさんピンとこないかもしれませんので、次回以降で、「起業ってこんな感じでもできるんですよ〜」という、僕のような起業家が実際に行なっていることをみなさんにご紹介したいと思います。 起業に興味があるけれどなかなか行動に移せない!相談したいけど頼れる人がいない!という人は、無料相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!お待ちしております。